2022年はコロナ禍で迎えた2度目の年となりました。
新型コロナウイルス感染症が全世界的に流行しており、健康面だけではなく、経済や生活、仕事、学校など様々な面においても悪影響を及ぼしています。
今回OHDr.では、新型コロナウイルス感染症とぜんそく・COPDとの関係、そして基本的な感染予防策について紹介します。
Contents
ぜんそく・COPDとは?
・ぜんそく
ぜんそくは、気管から肺への空気の通り道である「気道」と呼ばれる部分が発作的に狭くなり、呼吸が苦しくなる病気です。
ホコリやタバコ、ストレスなどの刺激がひきがねとなって発作が起こりますが、肺の機能には問題がありません。
こどもから高齢者まで幅広い年代で起こりうる病気です。
・COPD
COPDは、気管支や肺胞をはじめとした肺の組織が炎症を起こして固くなることで、肺が膨らみにくくなり、呼吸機能が徐々に低下する病気です。
多くは長期間にわたる喫煙が原因で発症し、高齢者に多くみられます。
ぜんそく・COPDと新型コロナウイルスとの関係
2020年に国立成育医療研究センターによって行われた研究で、気管支喘息患者はそうでない人に比べ新型コロナウイルスに感染しにくく、また気管支喘息は重症化リスクには該当しない可能性が示唆されました。
一方で、COPD患者が新型コロナウイルスに感染した場合、重症化したケースが多かったことも判明しました。*
このことから、COPD患者さんは感染に対してより一層の注意が必要であるといえます。
とはいえ、喘息患者さんも重症化しないとは限りません。感染から身を守るため、ひとりひとりがしっかりと対策をとる必要があります。
感染予防対策
①手指衛生(手洗い、手指消毒)
接触感染を防ぐためには、手指衛生が非常に有効です。
外出先でなにかに触れたら、手指を除菌用のアルコールなどで消毒しましょう。外出から帰った後や食事の前などには必ず手を洗うように心がけましょう。
親指や指先、爪や指の間などは特に手指衛生が不十分になりやすいと言われています。
手を洗うときには石鹸を使い、20〜30秒ほど時間をかけて、汚れをかき出すように丁寧にこすり洗いしましょう。
②マスクの着用
マスクは飛沫感染を防ぐのに役に立ちます。マスクをしない場合と比べ、マスクはウイルスの吸込量を60〜80%に抑えることができると言われています。
また、フェイスシールドを使う人も増えていますが、下側や側面から飛沫が漏れてしまい、マスクと同じような効果は期待できません。
症状の有無にかかわらず、いつでもマスクをするよう、心がけましょう。
③部屋の換気
空気の入れ替えは感染対策として非常に有効です。
部屋の窓を1日に何回か開けて、部屋の空気を外に出し、外気を部屋へ取り入れましょう。
④体調管理
ウイルスに負けないために、しっかりと寝る時間を確保し、栄養のある食事を取るようにしましょう。
また、外に出ることができない時でも、家の中で歩いたり、体を動かすようにして、健康的な生活を心がけましょう。
ぜんそく・COPDの方へ ドクターからのアドバイス
ぜんそく・COPDの方は、発作がでないように、また症状が悪くならないように状態をコントロールすることが非常に重要です。
中には新型コロナウイルスの感染を恐れて医療機関の受診を控える方もいらっしゃいますが、自己判断で薬の内服や吸入をやめてしまうのは非常に危険です。
ぜんそく・COPDの薬を内服している人は、薬がなくなる前に受診できるよう計画的に過ごしましょう。
また、もし症状が悪くなった場合は速やかに医療機関を受診するようにしてください。
症状が安定している方で、外出による感染が不安な方は、オンラインでの受診により薬を受け取ることも可能です。
ぜんそく・COPD・新型コロナウイルス
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*参考文献)
Does asthma affect morbidity or severity of COVID-19?
Kenji Matsumoto, Hirohisa Saito
Published:May 26, 2020
DOI : https://doi.org/10.1016/j.jaci.2020.05.017